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彼女の恋愛

第8章 夏休みの彼女

「たまに食いたくなるよね」

陽が呟くとくるみが食べる?とメロンのスプーンを差し出した

「さんきゅー!」

陽が食べるのをじっと見る相悟

「これ食べたら流れるプール行きたい」

むつみがくるみにお願いする

「いいよ、食べたらね?」

「俺も行く、相悟は?」

「…みんなが行くなら行こうかな」

「本当?やったー!」

なつみが嬉しそうに笑う

「じゃあみんなで行こうぜ」

なつみとむつみは焦って食べ終えた



「わ!結構冷たい」

くるみがつま先を入れて温度を確かめる

下からむつみと陽がバシャっと水をかけた

「きゃー!冷たい!」

「一気に入っちゃえば大丈夫だよ」

「だよー!」

やったなー!と追いかけるふりをすると逃げろー!と陽がむつみの浮き輪を押しながら逃げていった

くるみが後ろを向くと相悟に献身的にサポートするなつみ

「相悟さん、大丈夫?無理しないで…」

「大丈夫だよ」

一緒に浮き輪で流れましょうと張り切るなつみ

「なつみ!お前、用事あるんじゃなかったのかよ!」

なつみの背後から手がニュッと伸びてきた

「げ!瑛人(えいと)」

「こいつ誰だよ」

瑛人と呼ばれた少年は不服そうに相悟を指差す

見かねたくるみが駆け寄る

「なつみ、どうしたの?お友達?」

「…ただの同級生だよ」

「はぁ?おまえふざけんなよ」

少年は同級生と呼ばれ憤りを露わにした

「なつみの姉のくるみです。君は?」

「なつみの姉ちゃんですか!今野瑛人っていいます。なつみの彼氏です」

「瑛人くんか!初めまして。なつみが我儘でごめんね? 今日もドタキャンさせたみたいで」

「え、ああ!お姉さんと一緒ならいいんです」

瑛人はくるみが一緒なのをみて安心したように言った

「私、相悟さんと泳ぐから…」

ツンとするなつみに瑛人が話しかける

「あっちに中島達いるから来いよ」

「行かないよ」

「前野もいるぞ」

何人か名前を聞いて、なつみは行きたそうな顔をする

「なつみ、お友達いるなら遊んでくれば?」

「でも…」

「なつみちゃん、行っておいで?待ってるから」

「相悟さんが言うなら少しだけ…」

なつみは瑛人に手を引かれながら反対側に行ってしまった

「最近の小学生はすごいね」

「そうだね!私が小6の頃じゃ考えられないよ」

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