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彼女の恋愛

第9章 倦怠期な彼女

「おかえりー!遅かったけど、小島っちゃん何だって〜?」

「…今日から図書委員やれって」

「なにそれ〜?くるみやりたかったの?」

「まさか!断ったけど押し切られた」

「バックれる〜?」

「夏休みの宿題ちゃんと終わるまではダメみたい…」

「じゃあ適当に書いちゃいなよ〜」

「それ菫のバレてたよ」

「ゲ!まじか〜」

話していると予鈴が鳴った

「また後で対策考えよう〜」

菫は席に戻ると陽に声をかけられた

「くるみ今週の日曜うち来る?」

「ごめん、ちょっと予定あって…」

「え〜?なんの予定?」

「宿題空白が多すぎてさっき先生に怒られちゃって…特別補習なの」

家に行けば必ずエッチをすることになると想像したくるみは、咄嗟に嘘をついてしまった

「マジかよ〜!じゃあ終わったら会おうよ」

「う〜ん、早く終わったらね」

陽は名残惜しそうに頰を触ったが本鈴を聞いて席に戻った

(陽に初めて嘘吐いちゃった…ちょっと罪悪感)




「じゃあくるみ、部活行ってくる!」

「頑張ってね」

放課後、陽はくるみの頭をポンっと叩いて相悟と教室を後にした

「くるみ、うちらも帰る〜?」

「私、小島先生に引き継ぎがあるって言われてるんだ」

「あ、そっか! 宿題の件、巻添えくらいそうだからうち帰ろうかな〜」

「菫も一緒にやろうよ!」

「いや♡ 頑張ってね〜図書委員!」

バイバ〜イと速攻で逃げる菫の後ろ姿に薄情者〜!と叫んだ

職員室に向かうとちょうど小島と出くわした

「おう、森野!どうした?」

「どうしたじゃないですよ!お昼の時に話した図書委員の件ですが、」

「そうだった! うっかり忘れてたぜ。引き継ぎの件なら図書室のカウンターにノートが置いてあるから見てくれって!それとこれが鍵な」

「そうじゃなくて!私やっぱり…」

くるみを遮るようにしーっ!と小島が小声になる

「本来は閉めたら返しに来ないといけないんだが、先生はお前を信用しているからな。スペアをやるから失くさないようにしろよ?」

「だから私は!」

チャリっとくるみの手に握らせてじゃあな!戸締りしっかりしろよーっと行ってしまった

「もう!」

くるみは呆れて頭にきたが一つため息をついて図書室に向かった

鍵を開けて中に入ると少し埃っぽく咳が出る

口元を手で隠しながらカーテンと窓を開けた

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