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彼女の恋愛

第9章 倦怠期な彼女

「おはよう〜、昨日楓がごめんね〜」

「菫…おはよう」

「あれ何か元気ないね、どした〜?」

「ちょっと陽と喧嘩しちゃって…」

「へ〜珍しいね。矢川は兎も角くるみらしくないじゃん?」

「なんか妥協しちゃいけない気がして…」

「くるみも結構ガンコだもんねw 早く仲直りしなよ〜?」

「…うん」

陽の方を見てみると機嫌悪そうで目が合うと無視された

(何あれ!感じ悪っ!)



一日中、菫と過ごしたくるみは放課後になるとバイバイと菫に手を振って真っ先に図書室に向かおうとした

普段なら陽が部活に行ってくると言う恒例の挨拶があるのだが、朝の無視を静かに怒っていたくるみが先に行動に出た

陽もそれを見てイラっとしたのか廊下に出たくるみを追いかけた

「くるみ、ちょっと話そう」

「…わかった」

二人は人の少ない階段の踊り場に場所を移した

「昨日の話だけど」

陽が切り出したところに重ねるようにくるみは言う

「考えたんだけどね?私は陽が好きだし、今後も付き合っていきたい。
もちろん肌を合わせたりも必要だと思う。でも最近の付き合い方は回数は増えているのに気持ちが減っている気がするの」

「全然わからない」

「陽は私とエッチしてどう?」

「どうって…俺もくるみが好きだし、これからも付き合いたいと思ってるよ。でもくるみとは違ってエッチの度に益々好きになってるよ」

「そうなんだ…」

「なー、本当はくるみ無理してたんじゃないの?はっきり言ってくれないと俺もつらい」

「本当に無理はしてないけど、エッチばかりはなんか気持ちが萎えちゃうんだ」

「…わかった、くるみが良いっていうときだけにする。それでいい?」

「…うん」

くるみを引っ張ってギュッと抱きしめた陽はくるみの頭に顎をポフっと乗せた

「昨日、電話切ってごめん」

「うん」

「朝も無視してごめん」

「うん」

「じゃあ仲直り?」

「うん」

くるみの顎に手を引いて軽くキスをした

「じゃあ部活行ってくる」

「頑張ってね」

陽の後ろ姿を見送ったが、くるみはモヤモヤっとした気持ちが消えなかった

図書室に行き窓を開けてカバンをカウンターに置いたくるみは恋愛系の本を片っ端から手に取った

しばらく読んでいるとガラっとドアを開ける音がして入り口をみると村瀬が立っていた

「村瀬くん、いらっしゃい」

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