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第4章 ~決勝~
無事にコクピットから出ると、表彰式を済ませた後で、直生は脇腹を抑えて皆の待つピットまで帰ってきた。
「直生、大丈夫か?」
「大丈夫とも言いがたいけどな。完全に折れてるな、これ。」
苦笑いを浮かべ、直生はそう言うと、響く痛みをこらえるように片目を瞑った。
「処置するから、そこに座れよ。直生……。」
たまたま遊びに来ていた学生時代からの友人であり、現在は総合病院の外科医をしている早川颯太(はやかわ そうた)はそういって、直生を促す。
直生は嘆息をこぼし、素直に従った。
「即入院だな、一般の人なら…。でも、一週間は絶対安静だ。」
レントゲンをとらなくても分かるほどに直生の肋骨は骨折していた。
直生はレーサーだけあって鍛えている筋肉が骨を補強していたため、痛みをこらえる事が出来たのだろう。……颯太はそうざっくり解説してくれた。
「一週間か…。少し、歩くくらいなら大丈夫だろ? トレーニングまではしないからさ。」
「ゆっくり歩け。くれぐれも走るなっ! 無茶に動くなっ!」
そう声を荒げ忠告してくる颯太に、直生は嘆息を吐き出しつつ口を開く。
「そこまで怒鳴んなくたっていいじゃん、別に。俺だってバカじゃないんだから、無理はしないよ。次のモナコは、絶対に走りたいしさ。」
欠場は絶対に避けたかった。仕方ないとはいえ、社長職を継いでしまってから……直生の負担は倍増してしまった。
ただでさえ、ワールドチャンピオンになって取材数も増えているのにも関わらず、結局弟の輝瑠や父親に任せておけず、週一度の会議の出席は必ずしているし、、現場からの報告書にも眼を通しては、改善策を送り返している。
結局手を抜く事ができない直生は、仕事漬けの毎日だ。
今シーズン、二連覇のメドがつけば……直生はレーサーを辞めるつもりでいる。
「……一応、固定しておくけどあんまりこれ締めすぎるなよ? 骨折の上に、骨折したくないだろ?」
颯太はそう言うと、慎重にコルセットで固定していく。そうして、最後に痛み止めを打った。
「直生、大丈夫か?」
「大丈夫とも言いがたいけどな。完全に折れてるな、これ。」
苦笑いを浮かべ、直生はそう言うと、響く痛みをこらえるように片目を瞑った。
「処置するから、そこに座れよ。直生……。」
たまたま遊びに来ていた学生時代からの友人であり、現在は総合病院の外科医をしている早川颯太(はやかわ そうた)はそういって、直生を促す。
直生は嘆息をこぼし、素直に従った。
「即入院だな、一般の人なら…。でも、一週間は絶対安静だ。」
レントゲンをとらなくても分かるほどに直生の肋骨は骨折していた。
直生はレーサーだけあって鍛えている筋肉が骨を補強していたため、痛みをこらえる事が出来たのだろう。……颯太はそうざっくり解説してくれた。
「一週間か…。少し、歩くくらいなら大丈夫だろ? トレーニングまではしないからさ。」
「ゆっくり歩け。くれぐれも走るなっ! 無茶に動くなっ!」
そう声を荒げ忠告してくる颯太に、直生は嘆息を吐き出しつつ口を開く。
「そこまで怒鳴んなくたっていいじゃん、別に。俺だってバカじゃないんだから、無理はしないよ。次のモナコは、絶対に走りたいしさ。」
欠場は絶対に避けたかった。仕方ないとはいえ、社長職を継いでしまってから……直生の負担は倍増してしまった。
ただでさえ、ワールドチャンピオンになって取材数も増えているのにも関わらず、結局弟の輝瑠や父親に任せておけず、週一度の会議の出席は必ずしているし、、現場からの報告書にも眼を通しては、改善策を送り返している。
結局手を抜く事ができない直生は、仕事漬けの毎日だ。
今シーズン、二連覇のメドがつけば……直生はレーサーを辞めるつもりでいる。
「……一応、固定しておくけどあんまりこれ締めすぎるなよ? 骨折の上に、骨折したくないだろ?」
颯太はそう言うと、慎重にコルセットで固定していく。そうして、最後に痛み止めを打った。