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第5章 ~過去の片鱗~
決勝後、クルーたちを労った後で、直生は颯太と約束をした店へと花音を強制的に連れて来たところだった。
「悪いな、颯太。待たせた。」
「いや、そんなに待ってないし。……って、直生。まさかその彼女?」
眉をひそめつつ颯太はそう問いかけてきた。
「あぁ、うん。そう…。柚木花音さん。俺の怪我の元凶?」
直生はそう紹介すると、花音に向き直り、笑みを浮かべた。
「花音ちゃん、彼は早川颯太。学生時代からの友人なんだ。もう明日の朝には仕事に行っちゃうからさ、久しぶりに話したくて付き合ってね。」
直生はそう言い訳をして、花音をエスコートし席に座らせた。
三十分ほど話をしながらディナーを取っていた最中、唐突に直生の携帯が鳴り出した。
液晶画面を見ると、本社からだった。
直生は嘆息を吐き出すと、携帯を手に取り、花音と颯太に笑みを浮かべる。
「悪い、仕事だ。少し二人で話してて。」
そうして、店の外へと出て行った。
「直生に興味があるって感じでもないよね。どっちかっていうと、直生に言い寄られて困ってる?」
直生が外に出て行ったのを確かめてから、颯太は花音にそう聞いてみた。
「直生さんの怪我は私の所為ですから、困ってるってわけでもありませんけど、遊び人だって噂ですし…。」
「あぁ、うん。否定はしないけど……。あいつは、本当はすごく情の深い人間でさ……のめり込んじゃうんだよね。」
そう返しながら颯太は、直生が遊び人になった元凶を掻い摘んで話してみることにした。
「悪いな、颯太。待たせた。」
「いや、そんなに待ってないし。……って、直生。まさかその彼女?」
眉をひそめつつ颯太はそう問いかけてきた。
「あぁ、うん。そう…。柚木花音さん。俺の怪我の元凶?」
直生はそう紹介すると、花音に向き直り、笑みを浮かべた。
「花音ちゃん、彼は早川颯太。学生時代からの友人なんだ。もう明日の朝には仕事に行っちゃうからさ、久しぶりに話したくて付き合ってね。」
直生はそう言い訳をして、花音をエスコートし席に座らせた。
三十分ほど話をしながらディナーを取っていた最中、唐突に直生の携帯が鳴り出した。
液晶画面を見ると、本社からだった。
直生は嘆息を吐き出すと、携帯を手に取り、花音と颯太に笑みを浮かべる。
「悪い、仕事だ。少し二人で話してて。」
そうして、店の外へと出て行った。
「直生に興味があるって感じでもないよね。どっちかっていうと、直生に言い寄られて困ってる?」
直生が外に出て行ったのを確かめてから、颯太は花音にそう聞いてみた。
「直生さんの怪我は私の所為ですから、困ってるってわけでもありませんけど、遊び人だって噂ですし…。」
「あぁ、うん。否定はしないけど……。あいつは、本当はすごく情の深い人間でさ……のめり込んじゃうんだよね。」
そう返しながら颯太は、直生が遊び人になった元凶を掻い摘んで話してみることにした。