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第7章 ~堕ちる彼女~
決して、直生の愛撫が嫌なわけじゃない。
正直、気持ちが良かったし……
最後までして欲しかったというのが本音だ。
けれど、直生はただいつも花音を抱き寄せて
キスを落とし眠りにつくだけだった。
(私の反応が良くなかったのかな?
…もっと喘げば良かった?)
思わずそう考えて、
花音はハッと我に返る。
(何、考えてんだろ、私……。
はしたない。)
泣きそうな表情を一瞬浮かべて、
その一瞬後には頬を染めている彼女。
面白いくらい百面相をしている花音に、
直生は首を傾げつつ、口を開く。
「おーい、花音? どうしたの?
もしかして、あの時のこと思い出しちゃった?」
花音の頬はさらに紅色した。
「…図星?
花音は、して欲しいの?」
悪戯っぽくそう聞くと、
花音はブンブンっと、頭を振った。
「そうじゃなくって。
ただ私はいつも手を出してこないから
どうしてなのか気になっちゃって。」
「俺、強引に抱くほど……飢えてないよ?
それに、一週間は絶対安静って言われてたしさ……。」
苦笑いを浮かべて、直生はそう真剣に答える。
罅が入った状態で無理やり走ったせいで、
直生の肋骨は粉砕骨折していた。
本当なら、即入院させられているところだ。
颯太に言われたとおり、出来るだけ安静にしていた。
痛みのほうもなくなって、モナコGPも全力で走れるだろう。
正直、気持ちが良かったし……
最後までして欲しかったというのが本音だ。
けれど、直生はただいつも花音を抱き寄せて
キスを落とし眠りにつくだけだった。
(私の反応が良くなかったのかな?
…もっと喘げば良かった?)
思わずそう考えて、
花音はハッと我に返る。
(何、考えてんだろ、私……。
はしたない。)
泣きそうな表情を一瞬浮かべて、
その一瞬後には頬を染めている彼女。
面白いくらい百面相をしている花音に、
直生は首を傾げつつ、口を開く。
「おーい、花音? どうしたの?
もしかして、あの時のこと思い出しちゃった?」
花音の頬はさらに紅色した。
「…図星?
花音は、して欲しいの?」
悪戯っぽくそう聞くと、
花音はブンブンっと、頭を振った。
「そうじゃなくって。
ただ私はいつも手を出してこないから
どうしてなのか気になっちゃって。」
「俺、強引に抱くほど……飢えてないよ?
それに、一週間は絶対安静って言われてたしさ……。」
苦笑いを浮かべて、直生はそう真剣に答える。
罅が入った状態で無理やり走ったせいで、
直生の肋骨は粉砕骨折していた。
本当なら、即入院させられているところだ。
颯太に言われたとおり、出来るだけ安静にしていた。
痛みのほうもなくなって、モナコGPも全力で走れるだろう。