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秘密のアルバイト

第42章 引退DVD2・・・2

「二人とも、お疲れ様」


その言葉で俺を抱き締める手をゆるめた。
体を離したときの、智の寂しそうな顔。
一瞬智から離れたくないと思ってしまった俺。


「大野君、今日もここに泊まっていく?」

「いや、今日は帰ります。
かずは、どうする・・・泊まっていく?」

「俺も、帰ります」


もう一度シャワーを浴び、帰る仕度をした。


「二宮君、送ろうか?」


社長はチラッと智を見た。


「あっ・・・大丈夫です。
一人で帰ります。ありがとうございます」

「そう・・・それじゃあ二人ともお疲れ様」


ホテルを出て、近くの駅に向かう。


「お~い、かず・・・」


振り返ると智がかけよってきた。


「あれっ?先に帰ったかと思ったよ」

「何か社長が、かずといちゃいけないような雰囲気をかもしだしていたからさ」


社長、とにかくもう読まれきってますよ。


「そっ、そうか・・・」

「こんな時間だし、また変な奴に絡まれたらいけないからさ。
迷惑じゃなかったら、送るよ」

「迷惑なんて・・・ありがとう、智」

「やっぱ可愛いな」


さっき言われた智の言葉を思い出して、何か思わず“ドキッ”としてしまった。
昼間のこともあったし、ちょっと・・・いや、かなり心強い。
でも、もしどこかから潤に見られたりしたら、浮気してるって思われたりしないかな。

時間も遅く、仕事帰りのサラリーマンが多い電車。
もちろん少し酔った人もいる。


「ねぇ君、可愛いね。
30000で・・・どう?」

「へっ⁉」

「ねぇねぇお兄さん、何俺の友達ナンパしてんだよ」


その若いサラリーマンは、慌てて去っていった。


「付いてきてよかったよ」


付いてきてもらって、助かったよ。




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