~夢の底─
第2章 扉のなかの渚─。
「ユノ、いたんだ」ドアを閉じ、「1日早く帰って来たんです」ホッとため息をつき、「俺、日にち間違えたかと…。そう。良かった」リビングにリュックを置くと、「夕食作ります…今日は海行って─、買ってきたんです」袋をキチネットのテーブルにのせる。「蟹? フカヒレのスープ?」「ワカメと貝。スルメ昆布もありますよ、しゃぶりますか」椅子にかけたユノが「精がつくね…」と笑う。
「ユノ…座ってないでテーブル拭いてください」「ア。お皿も…出すよ」……(今度は一緒に─高原、行きませんか…) ポタージュの鍋に、大きめのスプーンを入れながら、バスを降りる前、ヒースと交わしたことを思い出す。(高原─? どこの? …)(江原道です…バンガローのあるところ)(じゃ、泊まれるの─キャンプ?)(そんな、大げさじゃないです─でも遠いし僕が車借りて…)(連れてってくれるんだ? ─休みが取れたら…)「チャンミン」すぐ脇に並んだユノが、呼ぶ。「ビール冷えてる。お前は飲むだろう?」「ユノは…」「明日早いからジンジャーにするよ」「僕も今夜はそうします」「そう? じゃグラス用意するからさ」赤いチェックのナプキンで手を拭き、レンガ色の蓋をチャンミンは取った。
「ユノ…座ってないでテーブル拭いてください」「ア。お皿も…出すよ」……(今度は一緒に─高原、行きませんか…) ポタージュの鍋に、大きめのスプーンを入れながら、バスを降りる前、ヒースと交わしたことを思い出す。(高原─? どこの? …)(江原道です…バンガローのあるところ)(じゃ、泊まれるの─キャンプ?)(そんな、大げさじゃないです─でも遠いし僕が車借りて…)(連れてってくれるんだ? ─休みが取れたら…)「チャンミン」すぐ脇に並んだユノが、呼ぶ。「ビール冷えてる。お前は飲むだろう?」「ユノは…」「明日早いからジンジャーにするよ」「僕も今夜はそうします」「そう? じゃグラス用意するからさ」赤いチェックのナプキンで手を拭き、レンガ色の蓋をチャンミンは取った。