~夢の底─
第2章 扉のなかの渚─。
「僕がいない間、食事どうしてたんですか」「ん…。面倒だから、クロワッサン噛じるくらい」 チャンミンはキチネットを見まわし、「今夜、僕泊まりますね…」ため息混じりに云った。「助かるな─。あ、このサラダ菜巻き…美味いね」「残り冷蔵庫に入れておきます、忘れないで食べてください」ジンジャーの瓶を傾けて、チャンミンのグラスに注ぎながら、「そうするよ、俺ももう30だし体、気をつけないと…」「ユノも何か簡単なお料理ぐらい…出来ないと、年齢的に困るでしょう」グラスを唇に運び、チャンミンは少し笑った。「うん、体が資本の仕事だし─トシ感じるもんな、最近…」ポタージュを呑み干した。
「旅行どうだった」楽しそうに云った。「気分転換に、なりました─」「そう? 早く帰って来たから、ひとりで暇な旅行だったと思った」「─ひとりじゃ、なかったんです」「え…? 仲間と─約束して、一緒?」銀のスプーンを置くと「最近知り合った練習生だった子と、今日は一緒でした」「練習生? …」驚くユノの顔を真正面から見つめて、「先月までそうでした。事情で辞めた子なんです」「そんな子、─いたかな」「僕も、先月まで知らなかったんです」
「旅行どうだった」楽しそうに云った。「気分転換に、なりました─」「そう? 早く帰って来たから、ひとりで暇な旅行だったと思った」「─ひとりじゃ、なかったんです」「え…? 仲間と─約束して、一緒?」銀のスプーンを置くと「最近知り合った練習生だった子と、今日は一緒でした」「練習生? …」驚くユノの顔を真正面から見つめて、「先月までそうでした。事情で辞めた子なんです」「そんな子、─いたかな」「僕も、先月まで知らなかったんです」