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~夢の底─

第2章 扉のなかの渚─。

肩の手を、腕にそって下に降ろしながらユノの横顔に、じっと眼をあてた。「…冒険かな、…でも。無謀な─」チャンミンと眼が打つかり合う。ほほえんで、「なに─。どうした」チャンミンの指先はその声の終わらないうちに、胸元にすべり込むような動きをする。
また、書類に目を戻し、「ステージのいろんな決め事…破っても」遊ぶ指先をそのまま、話し続けた。「お前、どう思う」
 黙ったまま、髪に口づける。
 頬から耳元の辺りが、熱を持ち、紅らんだ。「ベッド、いこう…か」紅に染まった皮膚を唇で撫でられ、ユノの声は、上擦る。いきなりチャンミンは、身を離すと、「─演出、僕は二人でやりたい」キッパリした口振りに、驚いた瞳をチャンミンの横顔に向ける。
 「─あ、演出、は…でも」「ダメですか」唇を噛む…それとは無関係に手のひらを、大腿部の盛りあがった筋肉の上においた。  
「…ア、ぁ…。お前プランあったんだ? …うん─おもしろい、かも」声が、途切れる。首すじにチャンミンは顔を埋め軽く、唇を触れさせていた。 口をユノが噤むと、部屋は静まり返った。 
 ガッチリと揺るぎなく力ある肩と厚い頼みの胸に、顔を押し当て、両手をユノの腰に包んだ。

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