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~夢の底─

第3章 ─秋が、燃える。

「危ない、…」ベッド下から、頭を出して這い上がろうとするヒースを、後ろから抱き止めた。折り畳んだシーツの白が蒼いいなずまを反射する。
 「チャンミンさん、頭ぶつけます、危ないです」向きを変え、狭いベッドの下、勢い余ってチャンミンの身体に乗り上げた。床が、細かく震えた。



 ……雨も黙った。空気は白く、あかりを灯した部屋のような色合いに変わった。
 「ぼく、─先にシャワーいいですか…」チャンミンが慌てたように、頷くと、軽く頭を下げて、ヒースはバスルームのドアに向かう。─と、ドアを閉じる前にチャンミンに、振り返って「…人間の身体って、あったかいんですね」─しなやかな若い獣の動きで、ドアを入った。ベッドにかけ、項垂れているとまた壁の向こうから、響く物音がある。「チャンミンさん。─チャンミンさんも…シャワーどうぞ…」濡れた髪を白タオルでつつむように拭き、ヒースが近寄ってくる。「お先でした。失礼しました」「ヒィス…」「はい…」「心の準備も」「ハ─イ…」「初めての─、馴れてなくて」「─えッ?」「若い血潮のその─」「チャンミンさん、やっぱりさっき─頭ぶつけました?」不思議な表情になったヒースが、訊く。

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