~夢の底─
第3章 ─秋が、燃える。
「チャンミンさんは今夜ソウルで、お仕事でしょう。食べたら、出発しましょう、時間を遅らしちゃ迷惑ですよ」「もっとゆっくり遊んで…夜に帰りたいんだ」軽くため息をつき、「仕事の合間の時間しか、取れないから…慌ただしくなっちゃうね」ちいさな丸皿にオードブルをとった。「チャンミンさん」サンドイッチをひとつ、手にして、「ぼくが誘って、一緒に来てくれて…」パンの先端から口に入れ、「嬉しいし…。─さっき…」少しだけ、伏し目がちになって、パンを口の中で噛む。
「あの…、勢いで─はずみ、─で…」チャンミンが頬をあかくする。「ぼく。自分、押さえ切れなくて。我慢できなかったんです─憧れの、ひとだから」ライムの香りの辛めな味のソーダを、チャンミンの空のカップに注ぎ入れた。「兄さん」驚いた顔のチャンミンがヒースを見る。「びっくりしました? 馴れてないから、ぼく。─こういうこと」
紙ナフキンで指先をぬぐい、「─ひとりっ子だし捨てられたから」笑顔になると、明るく云う。
「あの…、勢いで─はずみ、─で…」チャンミンが頬をあかくする。「ぼく。自分、押さえ切れなくて。我慢できなかったんです─憧れの、ひとだから」ライムの香りの辛めな味のソーダを、チャンミンの空のカップに注ぎ入れた。「兄さん」驚いた顔のチャンミンがヒースを見る。「びっくりしました? 馴れてないから、ぼく。─こういうこと」
紙ナフキンで指先をぬぐい、「─ひとりっ子だし捨てられたから」笑顔になると、明るく云う。