~夢の底─
第3章 ─秋が、燃える。
「兄弟とか、家庭って…よく、知らないし」フフ…とかすかに笑った。「どこまでも甘えていいんですか? 弟って─兄さんに…」チャンミンは黙ってヒースを見つめ、潤んだ黒い瞳で頷く。
「じゃ─チャンミン、兄さん…」ヒースもじっと、チャンミンの瞳を見つめ返し、「食べたら、デザートの代わりに…わなげ、やりましょう」テーブルの隅にあるビニールを開け、「これ、レストランのデリバリーのサービス品だそうです」卓上ゲームのわなげセット。
「かわいい…輪ゴムみたいだね─」ピンクのミニチュアの輪を、チャンミンはわらってつまみ上げる。「兄さん。賭けましょう」「うん? なに…」「帰りのガス代。どうですか」「たくさん入った方が勝ち…ヒィス─おまえから、弟だから…、先に投げろよ」「はい─兄さんのお言葉に甘えます」黄色い小さな輪を、ヒースは手早く片付けたテーブルの真ん中に、置いた的の、白く塗ってある棒に向かって投げる。
「じゃ─チャンミン、兄さん…」ヒースもじっと、チャンミンの瞳を見つめ返し、「食べたら、デザートの代わりに…わなげ、やりましょう」テーブルの隅にあるビニールを開け、「これ、レストランのデリバリーのサービス品だそうです」卓上ゲームのわなげセット。
「かわいい…輪ゴムみたいだね─」ピンクのミニチュアの輪を、チャンミンはわらってつまみ上げる。「兄さん。賭けましょう」「うん? なに…」「帰りのガス代。どうですか」「たくさん入った方が勝ち…ヒィス─おまえから、弟だから…、先に投げろよ」「はい─兄さんのお言葉に甘えます」黄色い小さな輪を、ヒースは手早く片付けたテーブルの真ん中に、置いた的の、白く塗ってある棒に向かって投げる。