~夢の底─
第6章 惜春譜
「そうらしいな」「ユノの好きに過ごせたら良いんだけど…」「難しいよな…それで…な─」チャンミンに肩を寄せた。
「ユノのやろうとすることはさ」歩調を落とした。「なんだって面倒なこと…」チャンミンがレラを見る。横顔は繊細でどこか淋しげな脆さがあったが、口ぶりは淡々として芯のある言葉だった。
「つるんだり離れたり…誰でもやれる」「──」「二人一緒にいる。暮らしていく…、重い時もあるだろ?」歩きながらのチャンミンが視線を落とすと、脇を向く。「お前さんだから─」カラリとした口調で「ユノはやり甲斐があるって。オレに云ったよ」「兄さん、に─」「ただ楽しけりゃ、いい。だったら、話は簡単だからな、苦労はしない」そう云うと黙り込んだレラがまた、口を開く…ほのかな甘さのミントの香…。「おれとユノにはそれがなかった」口元は想い出に綻んだのか、愁いの影が少し明るんだ。
「ユノのやろうとすることはさ」歩調を落とした。「なんだって面倒なこと…」チャンミンがレラを見る。横顔は繊細でどこか淋しげな脆さがあったが、口ぶりは淡々として芯のある言葉だった。
「つるんだり離れたり…誰でもやれる」「──」「二人一緒にいる。暮らしていく…、重い時もあるだろ?」歩きながらのチャンミンが視線を落とすと、脇を向く。「お前さんだから─」カラリとした口調で「ユノはやり甲斐があるって。オレに云ったよ」「兄さん、に─」「ただ楽しけりゃ、いい。だったら、話は簡単だからな、苦労はしない」そう云うと黙り込んだレラがまた、口を開く…ほのかな甘さのミントの香…。「おれとユノにはそれがなかった」口元は想い出に綻んだのか、愁いの影が少し明るんだ。