テキストサイズ

ドSな御主人様

第1章 出会い

「うっわ、ださー。頭ぶつけてやんの」

「本当だ〜。可哀想」




ケラケラと、下品な笑い声が耳に入る。


彼氏を盗られたという理由をつけて、集団で一人を笑いものにする。


幼稚すぎてこっちが笑える。



「……くっだらない」




立ち上がりながら私無意識の内にそう呟いていた。



「…は?今何て?」


その言葉をこの人達が聞き逃すはずかない。ばっちり聞こえていた事だろう。



「だから…。くだらないって言ってるんです」

「アンタねぇ、アタシの彼氏盗っておいて謝罪もないわけ!?」



私の言葉に腹が立ったのか、恵梨が友達を退かし私の胸ぐらに掴みかかってきた。



「謝罪もなにも、私は悪くない!あなたの彼氏さんが勝手に私を好きになっただけじゃないですか」



恵梨はギリっと小さく歯ぎしりをして、ロッカーの上に置いていた花瓶を手に持った。



やばい。殺される。



そう思った時にはもう遅くて…。


激しい痛みを一瞬感じたあと、プツンと意識がなくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ