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ドSな御主人様

第1章 出会い


一人の男が私の上から退き、スーツの男に掴みかかった。けど、スーツの男の方が余裕があるらしく、くすくす笑っている。




「な、何がおかしい」

「いや、弱い犬程よく吠えるとはこの事かと思ってな」

「な、なんだと!」



煽られ、カッとなった男はスーツ男に拳を向けた。が、スーツ男には効かないらしい。

あっさりと交わされ、逆に自分がパンチをくらう羽目になってしまった。



「…さっきの威勢はどうした?」

「テメェ!ぶっ殺すぞ!」



あとの二人は倒れ込んだ一人を見てスーツ男に殴りかかった。



「ワンパターンだな」



低く呟いたあと、スーツ男は一人を捕まえて手に持っていた折り畳みナイフを奪いとった。



「今すぐここを立ち去れ。じゃないと…」



そこまで言ってナイフを男の首筋にそえた。



「ひっ…!わ、わかったから離せ!」

「…さっさと失せろ」



スーツ男の低い唸り声に完全にビビった男二人は気絶している一人を抱えて闇の中へと消えていった。



…た、助かったのかな。

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