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ドSな御主人様

第2章 同居

『人の彼氏奪っておいてさ!』

『どうせアンタから誘ったんでしょ』

『可愛い声で鳴くじゃねーか』



気持ち悪い。


触らないで!


やめてよ…。




「……い。お…ろ」

「さ、触らないで…」

「おい。俺だ。大丈夫か?」



ハッと目が覚める。目の前にはあのスーツ男がラフな格好で立っていた。



「…ここは?」

「俺の家だ。お前を帰そうにも家知らないから、とりあえずここに寝かせてた」



スーツ男は私が寝ているベッドに腰掛け、白いマグカップを差し出してくれた。白い湯気がゆらゆらと揺れている。




「ありがとうございます…」



のそっと起き上がった私はスーツ男からマグカップを受け取り、中の液体を喉に流し込んだ。




「ココア……」

「あぁ。嫌いだったか?」

「いえ。大好き、です」

「ふっ。そうか……」



そういうと、スーツ男はマグカップを私から取り上げ、そのマグカップをベッドの傍にある台の上に置いた。


え。まだ全部飲んでない…



「あのっ……!!」


そう思って口を開こうとした瞬間、スーツ男の唇が私の口を塞いだのだった。



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