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IF……餃子を食べたら?

第5章 棗さんに餃子を食べさせてみた

愛「えっと…白和え、白和え。それから…うーん。やっぱりお魚がいいよね」

会社からの帰り道、スーパーに寄る。
今日は珍しく棗さんの帰りが早いと連絡があったからだ。

(ふふ。棗さんと一緒に夕飯食べるの久しぶりだな。いつも帰りも遅いし、家でご飯なんて滅多に食べないもんね。)

♪Trrrrr~

鞄から携帯を取る。

(夏目さんからだ。なんだろう…緊急ミーティングとか?)

愛「はい、河合です」
夏「あ、愛実ちゃん?お疲れ様」
愛「お疲れ様です」
夏「今どこにいる?」
愛「スーパーで買い物してますけど?」
夏「ほんとー。よかった~。あのさ、買い物終わったら、こっち寄ってくれる?」
愛「えっ、何かあったんですか?」
夏「ううん、違うよ~♪愛実ちゃんにプレゼント」
愛「プレゼント…ですか?」
夏「そう。俺と徹の共同の自信作!詳しい事はこっちで説明するからさ、早くおいで」
愛「…はい、わかりました」

(なんだろう…プレゼントって?それにしても夏目さんの声、随分楽しそうだったけど…)

愛「うわぁ、もうこんな時間!早く買い物終わらせなくちゃ」

お惣菜コーナーに手を伸ばしたかったけれど……
予定していた献立を変更してしまったら
今までこっそり練習してきた努力が水の泡。
私は買い物を終えると黒猫へと急いだ。


愛「こんにちは~」

黒猫のドアを開ける。

疾「あっ、いらっしゃーい。夏目さん達なら、厨房っすよ」
愛「ほんと?ありがとう」

愛「夏目さーん?」

厨房のドアを開ける。

夏「やぁ。愛実ちゃん!待っていたよ♪」
愛「あ…お待たせしてすみません」
夏「いいの、いいの。もうお兄さん、ウッキウキだし♪」

心なしか浮かれ気分の夏目さん。
それに対して桐生さんはなんだか顔色さえ悪く見える。

桐「…夏目さん、やっぱりこれはいかがなものかと…」
夏「何言ってんの徹!これは新堂の為にもなるんだから!!」

話が全くみえない。

愛「あ…あのー…?」
夏「ふふ。ごめんね。はい。これ愛実ちゃんにプレゼント」

夏目さんが目の前に紙袋を差し出す。
中身を確認すると
中には餃子が入っていた。

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