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IF……餃子を食べたら?

第5章 棗さんに餃子を食べさせてみた

(だから私は食べちゃダメだっていってたんだ…)

新「全く…私としたことが…迂闊だった…」
愛「ごめんなさい…私、まさかそんな餃子だったなんて知らなくて…」

(でも…待って。って事は餃子を食べた時の棗の言葉って……)

―いい妻になりそうだな―

不意に思い出してしまった言葉。
一気に顔が熱を帯びる。
嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り乱れて更に熱が増す。

新「ん?どうした?そんなに赤くなって。もう酔いがまわったのか?」
愛「い、いえ…だ、大丈夫です……」

棗さんに見つめられてますます熱を帯びてしまう。
おかげで棗さんの顔が直視できない。

(まさか棗さんの言葉を思い出して……なんて言えない)

愛「……」

突然、棗さんが顔を近づけた。

新「愛実…お前、今何を思い出している?」
愛「!!!」

意地悪な笑みを浮かべる棗さんは少し頬が赤い。

愛「えっと……あの……」
新「言わなくていい……」

突然唇を塞がれた。
甘くて優しい温もりが私を包み込む。
そっと髪を撫でられ、唇が離れた。

新「そろそろ……先の事も考えてみるか?」
愛「!!!…それって……」

考えないわけじゃなかった。
でもそれは私の胸の中に閉じ込めた小さな想い。
その先を望むには……
棗さんの隣に並ぶには……
今の私では不釣り合い。
だから必死に頑張ってきた。
棗さんに出会って
色々な事があって
一緒に暮らすようになって
その度に触れる棗さんの優しさが
いくつも重なり合って
溢れてくる。

新「…愛実…」

そっと親指で涙を拭われ、
それでもまだ濡れる頬に柔らかいキスが落とされる。
熱い想いが込み上げてきて
思わず棗さんの首に腕を回した。

背中に回る腕が
聞きなれた棗さんの鼓動が
背中を押してくれる。

何かの合図のように、
『コツン』とおでことおでこがぶつかって
そっと顔をあげた。

新「…具体的な話は……また明日にしよう。それよりも俺は、今…お前に伝えたい事がある……」

膝裏に腕を差し込んで優しく抱き上げられた。

新「聞いてくれるだろう?」

真っ直ぐな優しい瞳。
精一杯の想いをこめて頷いた。

すると

柔らかな唇と共に
微かに触れる甘い吐息。

これから訪れる甘い時間を予感させるそれは
私の中に甘い熱を灯した。
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