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キミをまもる

第8章 初体験

高校3年の最後の夏休み。

受験や就職活動で忙しいのも、あともう少しでやって来る。

美花が元気ない。
訳を聞いても話してくれない。
俺なんかした?


春馬「母さん、美花が元気ないけど・・・俺、なんかしたのかな?」
春馬:母「進路の事じゃないの?」
春馬「違うような気がする。」
春馬:母「じゃあ、春馬がなんか言ったんじゃないの?」
春馬「母さん!俺、真剣に悩んでるんだから!!」
春馬:母「あっ、美花ちゃん!!春馬が悩んでるわよ(笑)美花ちゃん、ちょっと風邪気味で体調崩してたのよねぇ!!」
春馬「えっ!!」
春馬:母「声が出なかったのよねぇ。」
春馬「美花!!マジ?」
美花が、頷く。
美花の手を握ると熱い。
春馬「母さん、美花の手が熱い!!」
春馬:母「熱が出てきたのね。体温測ってみて!」
ソファに座ると美花は俺にゆっくり寄っ掛かってきた。
春馬:母「結構、熱あるわね!歩ける?」
春馬「俺、運ぶよ。」
俺が抱き上げても美花は、おとなしかった。

ゆっくり美花をベッドに寝かせると、ぐったりしてた。
春馬「美花なにかいる?」
首を振る。
春馬:母「美花ちゃん、春馬に甘えてもいいのよ。」
美花は俺の手を握ってきた。俺が握り返すと、手を握ったまま眠ってしまった。
春馬:母「美花ちゃん日頃から、遠慮したりして、なにかと我慢したりしてるからねぇ。もっと甘えてくれたらいいんだけどね!!ずっと、いろんな事を諦めてきたんだもんねぇ。」
春馬「母さん俺、美花を初めて抱き上げた時、手が震えたんだ。軽すぎて怖くなったんだよ。」
春馬:母「あんな食事しか与えてもらってなかったんだもの・・・私だって美花ちゃんを久しぶりに見た時・・・。」



夜中・・・だったかな?
母さんがドアをノックして部屋に入ってきた。

春馬:母「春馬、寝てるところ悪いけど。」
春馬「んっ・・・うん、どうしたん?」
春馬:母「さっと着替えてくれる?美花ちゃん病院連れて行くから・・・。」
春馬「わかった。」
俺は、すぐ着替えて美花の部屋に行った。

春馬「美花すぐ病院に行こうな。」
小さく頷いた美花を抱き上げた。

車で10分

病院に着くと、すぐ診察して点滴・・・朝になる頃には、熱が下がって昼頃には、家に帰れた。


春馬:母「美花ちゃん、ちゃんと体調良くなるまでは、寝ててね。」



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