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3年後の君へ

第1章 第1話 3年前

自分の身体を抱き抱えながら、さっきのことが頭を過る。

シャツを見ると皐月さんに外されたままだった


気持ち悪い


なんで俺がこんな目に合わなきゃなんねぇーんだよ。


何もやり返せない自分が惨めで、悔しくて、気がついたら涙が流れてた。


マジ、この年なってなくとか情けなねーわ本当。



スリスリ




そのまんまの状態で座っていると、足元に何か触れた気がして下を見た。



「ワンっ!」



え?犬?なんでこんなところに?


訳がわかんないまま、とりあえず頭を撫でてやると、そいつは気持ち良さそうにすり寄ってきた。



「なんだお前、かわいいな


馬鹿っ舐めんなよっ!ははっ!」


犬とじゃれ合っていると、そいつの首に首輪がついている事に気がついた。


あ、なんか書いてある‼
んー名前かな?



「えーと、レ…」



「 レオー‼ 」



急に聞こえたその声と同時に犬が俺から離れて走りだしていた。


突然の事に驚きながらも、俺も声が聞こえてきた方に振り向く。




「もー、レオったら急に出てったら駄目でしょ!」

犬の頭をペシッと叩きながらその人がこっちを見て俺と目が合った。



「あら、もしかして家の子が迷惑かけちゃいました?

ごめんなさいね?」



言葉が出てこなかった。





だって、こっちを向いた君はあまりにも綺麗だったから…



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