
3年後の君へ
第1章 第1話 3年前
「…?もしもーし?君大丈夫?」
俺の返事がなく心配した彼女が声をかけてくる。
「っへ?あ、だっ大丈夫です。すいませんボーッとしちゃって」
やっと我に返って、慌てて返事をする頃には彼女との距離は大分近くなっていた。
うわっ、いつの間にこんな近くに‼
てか近くで見るとさらに美人に見えるし‼つーか、俺の心臓の音がヤバいっつーの!
「そーお?ならいいんだけど」
ニコッと彼女が笑いかける。
ドキッ
あー、やべっ…収まれ俺の心臓‼笑
ガバッと自分の胸を抑えたところで、シャツのボタンが開けっ放しになっている事に気がついた。
…
恥ず‼
「うわっ、すいません!ちょっと色々あって‼」
よく解らない言い訳をしながら、急いでボタンをしめる。
「フフッ
やんちゃなのは学生の特権だけど、まだこの季節の夜は冷えるから風邪引かないよーにね?」
「…気を付けます笑」
笑われた…泣。つか、今の口振りからすると俺より年上なのか?
「あの~お姉さんっていくつなの?」
突然の俺の質問に彼女はちょっと顔を赤くして答えた。
「え?あたし?
そーだなぁ。とりあえず学生時代はとっくに終わってるかな?笑」
…マジ?笑
