
3年後の君へ
第1章 第1話 3年前
うわー、朝から走るとか俺無理だわ…
「お前って本当に筋肉馬鹿の鏡だよな」
「彰人、それ褒めてねぇだろ」
木村が呆れた目で俺の顔を見た。
「んなことないって!さすがバレー部主将~」
「ったく、2年の時お前が辞めてなかったら主将は俺じゃなくお前だったろーよ」
…コイツ
俺だって好きで辞めたんじゃねーよ。馬鹿やろ。
「謙遜すんなって?今年こそ全国行けよな、応援してんだからよー!」
身体の奥から沸き上がる黒い感情を押し殺して、いつもの軽いノリでながす。
誰も俺の本当の事情知らねーから、しょうがないしな。木村は悪気があって言うようなヤツじゃねーし
「おぅっ!まかせろ」
木村のその笑顔がそん時の俺には眩しすぎた。
そんな話をしている内に学校に着いた俺達は、始業式が始まるまで教室で待機することになった。
