
3年後の君へ
第1章 第1話 3年前
あいつ気づいてたのか。馬鹿のくせに変なところで勘が鋭いから参るよ。
ごめんな、木村。
帰り道だらだらと歩きながら、木村への罪悪感でいっぱいだった。
ゲーセンや、コンビニに寄って出来る限り時間を潰す。
ケータイを見ると、20時を過ぎていた。けど、正直まだ帰りたくない。
でも…
「そろそろ帰んないとまたヤられるよな…」
この間の嫌な記憶が俺の足を動かした。
ガチャ
「ただいま」
…。良かった、誰もいないみたいだ。
ちょっと安心して一呼吸置いてから2階にある自分の部屋に足を進める。
「…っあ、 …いやぁ」
ドアノブに手をかけたところで、聞き覚えのある女のやらしい声が聞こえて足を止めた。
マジかよ。
嫌な予感はしてたが、ドアを少し開け中の様子を伺う。
てか、なんで自分の部屋覗かなきゃなんねーんだよ。
中では…まぁ予想通りの光景が広がっていた。
ガチャ‼
勢い良くドアを開けて、人のベッドでよろしくやっている2人に声をかける。
「俺の部屋で何やってんの?
母さん。」
