二面性*マクガフィン
第2章 学園クーデター
「…………………」
1人の男が、女の前に立ちはだかった。
翔だ。
そして……
ガサッ…
女の手首を掴んだ。
「まだ話は終わってないよ」
ドンッ…
ドアに女の体を押し付けた。
背中に少しの痛みが走るが、平然と微笑む。
「あら…?何ですか?」
翔以外の方々は、2人の様子を視界に入れた。
注目を浴びる翔。女の顔を間近で見て、
「………………」
数秒間、時が止まったかのように、
ジーっと目の前を見つめ、
自分が作り出した沈黙を、
「…………フッ…」
と、微笑んで破ると……
「!?!?」
観覧者の方々は、驚きを隠せなかった。
「………………」
翔は女の唇に…自分の唇を合わせたのだ。
初対面の人なのに…と、心のどこかで思いながらも、その様子をまじまじと見つめた。
そんな視線を気にせず、
「ちょ、ちょっと…翔ちゃん……」
雅紀の言葉を気にせず、
「………………」
翔は重ねるだけのキスを長く…続けた……