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二面性*マクガフィン

第2章 学園クーデター

「それにしてもさぁ〜…」

雅紀のほうに視線を向ける。

「なんであの子、俺らのこと詳しく知ってたのかな?不思議〜」

雅紀の意見であるその言葉に、他の方々も同じ意見。

「確かに。あそこまで知ってるなんてな…。只者じゃないな」

腕を組んで考えている潤。

その何気ない言葉に翔も頷く。

「まあまあ、とりあえず…今日はもう教室に戻ろうか」

あの女のせいで気分が悪くなった…と言っているように、嵐の皆さんは屋上を退くことにした。


近くにあったドアをガチャと音を立てて開け、校舎に入ろうとする…と…

「………あ…あれ……??」

雅紀が辺りをキョロキョロし始めた。

「相葉くん、どうした?」

彼の動きに気付いた潤。

「……ねぇ………リーダーどこいった?」

雅紀はキョロキョロし続ける。

「はぁ?リーダー?」

潤も辺りを見渡してみる……が、智の姿が見えない。

「……確かに」

2人の会話を盗み聞きしていた翔も、辺りを視線だけで見回した。

すると、階段を最初に下りようとしていた人が、

「……あ、リーダーなら…『眠い…』って言って、先教室に戻りましたよ…」

「えっ!?」

雅紀は声を発した人、ニノのほうに素早く振り返る。

潤も同じように振り返り、ニノの元へ、

「いつの間に…」

「ハハハッ……さすがリーダー」

翔は腹を抱えて笑った。そして目の前の階段を1段下りる。

「ほら、行こーぜ教室。眠たくて仕方がない彼が待ってるみたいだし」

顔だけ振り返り、3人のほうをみると、

背後の開いたままのドアから、太陽の光がスポットライトのような役割をして3人を照らしていた。

「そうだね。相変わらずのリーダーの元へ早くいこ!」

「だな」

雅紀と潤が階段に足をつける。

その様子を見てニノも、

「…………ハァ…」

隠れてため息を漏らすと、みんなの後に続いて階段を下り始めた。

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