無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「………どうして今話してくれないの？」

追い詰めようとする翔。

この謎めいた女、真央を逃がしたくない思いから出てしまったその言葉は、彼女にすぐ届く。


「私も忙しいのよ…」

視線をわざと逸らす。

「あなた達のように……ね」

「…………………」

翔はその言葉を聞いて、反応した。


ｶﾞｻｯ… 女の体を引き寄せた。

翔と自然に視線が合う。


「ねぇ…俺らのこと…どのくらい知ってるの？」


引き寄せられても、女は顔色を変えなかった。ただ、

「さぁ…」

それだけしか言わない。

本当にそれだけしか言わなかった。

何かに呆れたようなため息をつくと、


「私…そろそろ失礼したいのだけれど……？」

言葉を発した。


「ダメだ」

女の腕が動き始めるのを確認した翔は、

素早くその腕の手首を掴み、

「逃がさないよ」

強く握った。