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土砂降り

第8章 8

「っまってよ。健人っ」
健人に走り寄ると振り向いてちゃんと待ってくれる。
僕が隣に並ぶと歩き始める。

「どこ行くの?コンビニ?」

家とは別の方向に進む健人にたずねる。

「猫の散歩と優勝祈願」

「猫って僕?優勝祈願ってバスケの?」

健人を見上げると、頭をぽふぽふされる。

「他に誰がいんだよ。夏の大会の優勝祈願な」

優勝祈願ってそんな事するような場所、この辺あったかな?

「何処まで行くの?結構遠い?」

「すぐそこのでかい公園入って、ちょっと登ったとこにあんだよ。一緒に遊んだ事あんだろ?
まぁあんまり人がいるとこは見た事ねぇな」

ふーん。そうだっけ?
僕はあんまり外で遊んだりしなかったと思うけどなぁ。

確かあの公園、自然たっぷりであんまり遊具もないし、散歩コースとかの一部の場所しか道が舗装されてないんだよね。
噴水とかの近くには人も多いけどちょっと奥に入ると人なんか殆どいない公園だ。

健人は公園に入ると、噴水の前を抜ける。どんどん林の様な所へ入っていくと階段がある。
階段と言っても、ガタガタに石が積まれた、階段らしきもの。だけどね。

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