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土砂降り

第10章 10

「そうだろうね。
廊下ですれ違っても俺の事なんて目に入ってなかったみたいだった。」

僕はなんだか責められてる気がして赤岩と目を合わせられなかった。

「こないだ初めて図書館の中に入ったんだ。
そしたら尚也がこっちを見てくれた。初めて僕の顔をみてくれたんだよ。」

そう言われると、赤岩があの場所にいたのはとても不思議だった。誰も寄り付かない図書館に人がいるのも、その人が急に僕に声をかけてくるのも。

「でも、勇気を出して声掛けたのに、尚也は面倒くさそうにソファーに座って本を読みだすんだもん。
俺は1年間も声をかけるタイミングを見計らってたのに。
だから、ね。
イタズラしちゃった。」

「イタズラってレベルを超えてたよ?」
いきなりキスされて射精した姿を写真撮られるなんて。そのままお尻に突っ込まれるし。

「そうだね。でも尚也、嫌がってないよね?
あいつの事は、あんなに嫌がってたのに。なんで?」

あいつってひろと先輩か。
「んー。なんでだろ?ひろと先輩は怖かったんだよね。手足縛られてたし。
僕、たぶん気持ちいい事が好きなんだけど、だからって誰でもいいわけじゃないみたい。」

今の所、赤岩と、健人と春樹はエッチするの嫌じゃないけど、その他の人としたいとは思わないな。

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