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土砂降り

第10章 10

「尚也の、、、尚也の本命は誰なんだろ?」

「本命?」

本命って、バレンタインのチョコレート渡す時の義理と本命の本命と同じ意味?

「山上か高田と付き合ってるの?
尚也がちゃんと人として認識してるのはあの2人だけだろ?他はその他扱いだもんね。」

酷い言われようだな。その他って言えばまぁその他なんだろうけど。

「付き合ってないよ。2人とも幼馴染なんだ。
2人以外も認識はしてるけど、確かに2人とは特別仲が良いね。」

エッチの相談出来るぐらいなんでも話せるしね。

「そぅ。
尚也の好きな人は誰?」

「さぁ?僕、好きな人とか出来たことない。
よく分かんないもん。女の子は怖いし。特別誰かが秀でて好意を抱いた事がないんだよね。
健人と春樹は同じぐらい好きだけどそれとは違う意味の好きでしょ?」

赤岩の顔を見ると、なぜか少し困った顔をしていた。

「なるほどね。まぁある意味安心か。
んー。この恋は苦労しそうだなぁ。
惚れたもん負けだな。」

惚れたもん負け。
恋した事も、惚れた事すらないからよく分かんないや。

「ふぅん。赤岩、いい匂い。」

僕は赤岩に擦り寄って、匂いを嗅ぎながら目を閉じた。

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