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土砂降り

第15章 15

なるべく食べ物屋の集まる所がいい。
繁華街をプラプラ歩く。

お腹が減ってるから何でも食べたいなぁ。何にしようかなぁ。

キョロキョロしていると、一人の男の人とバチっと目が合った。

茶髪でラフな格好。多分大学生かな?
目が合ってもなお、向こうは逸らそうとはしないので僕は一瞬、キョトンとした顔をして首を傾げた後、ニッコリと微笑んで近くの喫茶店に入った。

周りから死角になりそうな奥の席に座ってメニューを開く。

「ここ、いいかな?奢るから相席していい?」

釣り成功。

「えぇ。どうぞ。」
男の人にメニューを渡して店員さんを呼ぶ。

「かつ丼とナポリタンとスプライト。おにーさんは?」

「え?あぁ、ホットコーヒーを。」

店員さんが去って行くのをボーッと見送る。

「見かけによらず大食いだね。名前聞いてもいい?俺は広瀬。広瀬 歩。」

「なおです。」

「なおくんか。この後まだ時間ある?」

アイコンタクトで察したのかお互いに話が早くていい。

「あります。場所は広瀬さんに任せます。」

運ばれてきたナポリタンを口に運ぶ。
空きっ腹に甘いナポリタンがどんどん収まって行く。

「口真っ赤だよ。ほら。拭かせて。今日は楽しい1日になりそうだなぁ。」

初っ端からなかなかイケメンの広瀬さんが釣れて、ご飯もおごってもらえて。僕も今日は楽しめそうだな。

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