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土砂降り

第16章 16

はいはい。と、返事をしてトウモロコシを指差す。

「分かってます。買いに行きましょう。焼きトウモロコシって、そんなに美味しいですかねぇ。」

首を傾げながらも目的の店へ足を進めてくれる。
千葉くんの作ってくれた道を後ろからついて行こうとする。

「尚也っ!」
大きい声とともに、ぐいっと後ろに腕をひっぱられる。

ぐらりと傾き倒れそうになるところ、掴まれた腕を上に持ち上げられ何とか倒れずに済んだ。

あぁ。千葉くんがどんどん離れて行く。
僕は後ろを振り返らずに千葉くんの背中を見つめた。
声はかけないでただ見つめるだけ。

「尚也。」

無理矢理に振り向かされてようやくその人の顔をみる。

「…赤岩……。」

赤岩の目は、今まで見た事のない怖い顔でキツく僕を睨みつける。

「ちょっと、痛っ、」
無言で腕を掴まれ道の端まで引き摺られる。

「なんで連絡を返さない。」

「腕はなして…」

腕を強く握られて顔が歪む。

「どうして図書館に来ない。」

「腕、痛いよ…っ」

「離したら逃げるだろっ!いくら連絡しても無視だ。どんなに待っても図書館には来ない!腕を離したらまた逃げるだろ!」

赤岩は周りの人が振り返る程に大声を出して僕を怒鳴りつける。

「見つけたっ、尚也くんっ!あれ?帝太くん?」



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