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土砂降り

第16章 16

「ピンチヒッター俺ー。よっ。シカトもやしクソ野郎。その年で過労とはなぁ。」

健斗がドカドカと部屋に入ってくる。

「おばさん帰って来るまで俺が居てやるから安心して寝てくれよ。シカトモヤシクソ野郎。」

「病人なんだけど。」

「何が病人だよ。どうせ、面倒くさがって飯も食わずにヤる事だけはやって、むしろヤりまくって過労だろ。病人が聞いて呆れるぜ?」

良くご存知で。
確かにここ最近は一人でいる時、殆どまともに食事してない。あとは体力の限界まで毎日セックスしてた。

「ストーカーはやめて欲しいね。」

「春樹が心配してる。赤岩が俺らに相談に来た。お前は俺たちの連絡を無視して逃げ回ってる。わかってるだろ?その逃げ場すらお前を追い詰めるんだぞ。」

健斗の責める言葉に布団を引き上げる。

「健斗、やめろよ。なお、大丈夫か?」

春樹。春樹の優しい声、久しぶりに聞いた。

「なお。話をしよう?俺、なおに謝らなきゃいけないんだ。聞いて欲しい話もあるんだよ。」

「……。」

また雨が降ってくる。容量を超える雨水の中ではもぅ息をする事も出来ない。

「大丈夫。幼馴染の絆は強固だと俺は思ってるよ。なお、話せないならそのまま聞いて?」

聞きたくない。僕の罪が露見する。
その話はダメなのに。春樹こそ残酷だ。

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