
欲望
第2章 拾われ子猫ちゃん愛を知る
いつも俺が使っているシャンプーのにおいがして、ちょっと興奮したがそんな場合ではないと思い気を引き締める
「じゃあ、少しお話をしようか。君、名前は?俺は、柊雅貴っていうんだ」
「・・・・・ほづ」
初めて聞く、女の子の声は想像通りすごく可愛くてきゅんとした
「ほづちゃん?ほづって呼んでいい?」
俺がそう聞くと、ほづはうなづく
「何歳?」
「18歳」
「えっ?18??もっと幼く見えた」
そういうとほづは、少し唇をとがらせた
「ごめんごめん、そんな顔すんなよ。俺は35歳。一応これでも社長なんだ」
「・・・すごい」
「すごくないよ。親父の後継いだだけだし。・・・ほづはどうしてあんなところにいたの?」
ちょっと迷ったが、俺が一番気になっていたことを聞いてみた
するとほづは、うつむいてしまった
「ごめんっ!言いたくなかったらいいんだ。ただ、親御さんたち心配するかと思って・・・」
ほづは小さく首を振った
「・・・パパもママもいないの」
「えっ?」
「ほづがちっちゃい時に、事故で死んじゃったの」
「・・・そうだったんだ。今まではどうしてたの?」
「おじさんとおばさんがほづを引き取ってくれたんだけど、2人ともほづのこと嫌いだったみたい・・・」
ほづは、そういうと涙を流した
俺はたまらなくなって、ほづをそっと抱きしめた
「ずっと、さみしかったんだな・・・」
ほづをひざに乗せてやると、ほづは自分からぎゅっと抱きついてき
た
「2日前、ほづの18のお誕生日だったの。そしたらね、もう大人なんだから自立しなさいって言われたの。・・・・・追い出されちゃった」
ほづの肩がかすかに震えている
俺は何も言えず、ただほづを抱きしめた
