
欲望
第3章 追いかけて追いかけて
駅の改札のすぐそばにあるベンチに座った
時計を見る
ちょうど18時30分
少し前まであんなに幸せな気持ちだったのに・・・
数日前、駅であったことを思い出す
今日もこの時間に先生来ちゃうかも・・・
今日はもう会いたくない
先生が来ないうちにと咲妃は席を立った
改札に向かって歩き出そうとした瞬間、遠くに先生の姿が見えた気がした
先生だ・・・
そう思った瞬間、咲妃は改札と別の方向に逃げた
見つかる前に女子トイレに隠れようと思い、小走りでトイレに向かう
「藤本っ!」
途中で先生に呼ばれた
けど、止まることはできなかった
だってどんな顔して会ったらいいかわかんない
もうトイレにつく・・・というところで腕をつかまれた
先生が追ってきてるなんて知らなくて、びっくりした
