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conqueror

第6章 春雷

車はゆっくり走っている。

遠くで雷の鳴る音が聞こえる。

ここでは、まだポツポツとしか降ってないけれど、多分もうすぐ土砂降りになるのだろう。

ワイパーが時々、雨を振り払う。

彼がウィンカーを出して、道を曲がった。

そして、建物の中へ入っていった。

車が止まると、私は彼から離れて、車から降りた。

いつものように、彼の後についていく。

部屋の中に入ると、入り口で彼が立ち止まった。

「エリナ、ドアに手をついて。」

私はカバンをその場に置いて、後ろ向きに立った。

彼が私の中に指を入れる。

私の体は、なんの抵抗もなく、彼の指を受け入れる。

体が熱い。

燃えるように、彼の動きに反応する。

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