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第7章 春夢

彼と一緒にシャワーを浴びに行く。

先に彼がシャワーを手に取って、流し始めた。

私はその様子を見ていた。

大きな体。

大きな手。

大きな足。

どこを見ても、彼は大きい。

鏡に映った自分を見る。

小さな手足。

シュシュで、束ねた髪は乱れたままだ。

水滴が飛んで、私の体にもかかっている。

彼がひとしきり洗い終わると、私にもシャワーをかけてくれる。

私の中に残った彼の痕跡を、キレイに洗い流してくれる。

でも、私の体には、彼が教えてくれる、今まで知らなかった悦びが、刻み込まれていた。

他の誰かでは、得られない悦び。

彼だけがこの悦びを与えて、私の体を愛でてくれる。

私が彼を必要と感じるように、彼にも私が必要と思われたい。

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