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conqueror

第9章 月光

『ドンキになら、売ってるよ。ドンキホーテ知ってるでしょ?』

『はい、知ってます。』

『じゃ、買ってきて。そしたら、またメールして。』

1人で買いに行かなければならないんだ。

避妊具の時とは違って、はるかに不安になる。

お店の場所も、売り場も知っている。

カーテンで仕切られた一画。

そんな所に、1人で行く日がくるとは、思ったこともなかった。

重い足取りで、自転車に乗る。

こぎながら、何度もため息が出る。

天気が良く、少し汗ばむ陽気なのに、苦しくて周りが霞んで見えた。

「着いてしまった。」

1人、ポツリと呟く。

ごちゃごちゃ商品が並んでいる入り口から、消臭剤や、ウエットティッシュをカゴに入れる。

そして、奥へと進んだ。

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