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第9章 月光

いろんなコーナーで、商品を見ているフリをしながら、目的のコーナーへ向かう。

カーテンで仕切られているけれど、足元が見えるので、誰かがいたら、すぐにわかる。

今は誰もいないようだ。

誰かが来てしまう前に、そう思い、カーテンの中へ体を滑りこませた。

その狭い一画には、想像していたよりも、たくさんの商品が陳列されていた。

もちろん、バイブも。

適当な大きさの物を掴んで、カゴの下の方に入れて、素早く立ち去った。

他の客には、気付かれていないと思う。

後は、レジに行くだけ。

だけど、なかなか勇気が出ない。

商品は包装されているので、パッと見ただけではわからないけれど、レジを打つ人にはわかる。

そしてレジには、いかにもパートって感じのおばさんがいる。

どうしよう。

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