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第9章 月光

「あの、私のところから、その、電車が見えるんです。線路沿いだから。」

「そうなんだ。ちょうど、よかったよ。そのくらいのスリルがある方が、エリナにはぴったりだ。」

「その、駅が近いから、電車のスピードもあまり出てないし、その、見えてしまうかも。」

私は窓際に立って、躊躇していた。

「大丈夫だよ。早く出て。」

彼の口調が、少し強くなった。

私はそろりと、ベランダに出た。

昼間は暑いくらいだったけれど、夜は少し涼しい。

「ベランダに出たね。今日はそこで、やってもらうから。それじゃ、下着の上から触ろうか。」

彼の言う通りに、下着の上から自分に触れた。

遠くから電車が近づく音がする。

すぐに近付いて、扉付近に立っている人が見える。

「誰か見えた?」

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