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conqueror

第10章 鼓動

待ち合わせ場所に着くと、彼が優しく微笑んでくれた。

「久しぶりだね。いつも、君のことを考えていたよ。」

「コウさん、嬉しいです。私もずっと会いたかったから。」

嬉しくて、涙が出そうになった。

車に乗ると、この間のことも含めて、1人で色々したことを褒めてくれた。

彼の大きな手が、私の頭を撫でてくれる。

いつもと違う感じで、なんだかくすぐったい。

そういえば、外の景色も、いつもの道と違う。

どこへ向かっているんだろう?

「あの、コウさん、今日は、その。」

ホテルへ行かないんですか?と聞こうとして、途中でやめた。

自分から、ホテルへって言うのは、とてもはしたない感じがしたから。

彼は、私が言いかけてやめたことを、気にしてないように見えた。

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