ちび恋
第1章 幼馴染
「え、えと、奏多ひさしぶりー
お、大きくなったね!あたしびっくりしちゃった!」
あはは、と不自然な笑いを繰り返す。
沈黙が辛い。
「い、いきなりくるから心臓止まるかとおもっー‥」
沈黙が辛くて、適当に話を続けようとするも‥
「悠、なに緊張してんの?俺相手に。」
奏多に遮られてあたしは目を見開く。
「あ、えと、‥その‥」
「悠、こっち見ろよ。」
ぐいっと顎を掴まれ、上にむかされる。
「‥‥これでも、俺のこと弟って、言えるか?」
そのときの奏多の顔は
寂しそうで少し、悲しそうだった。
「奏多?どしたの‥
小さい頃もいったけど、奏多はずっとあたしの弟だよ」
あたしが言うと
顎に触れてた手の暖かさが消失し、
「そっか。」とそれだけ奏多はいった。
そして、
「さっきの顔、変だった。」
とつぶやいて屋上から奏多はいなくなった。
な、な
「なんですってぇえぇえぇえええ!!!」
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