
TRUE LOVE〜本物の愛〜
第1章 暗闇
「な、なんだおまえ…」
男はいった。
「あ?それこっちのセリフ。
なにひとの彼女に手出してくれてんだよ」
…神谷くん…
神谷くん、汗だくで、私のこと探してくれたの?
…うそ。
「依子、大丈夫?じゃないよな
とりあえず、これ着てて。」
ブレザーを渡されそれを、はおる。
あたたかい…
「てめーふざけんなよ」
低くて迫力のある声。
「依子に、今後一切近づくな。
今度また近づいたら、
わかってるよな。」
「ひっひいぃい!すいませんでした!!」
男は怖気付いたのか。パンツを膝まで降ろしたまま、図書室の外まで走っていった。
「大丈夫?」
「…見ないで…」
「あ、ごめん!」
あわてて後ろを向く神谷くん。
耳まで真っ赤に染めている。
「神谷くん、ごめんね
気をつけてっていってくれたのに…」
「いや!俺が見つけるの遅れたからこんなことに!」
「ううん、うれしかった…ありがとう」
ほんとうにもうだめだとおもった。けど、神谷くんが
助けに来てくれてほんとによかった。
「もう、こんな思い。させないから。
俺のそばから離れないで依子。」
「うん…わかった…」
神谷くんってなんだか、不思議…
