
TRUE LOVE〜本物の愛〜
第1章 暗闇
「きれー」
「さすが依子(よりこ)様よねー!」
私が歩くとみんなが注目する。
瀬田 依子(せた よりこ)
私は高校3年生だ。
長く伸ばした黒い髪は腰あたりまでに達する。
豊満な胸はブレザーのボタンをいまにも引きちぎりそう。
「あっあの!依子さん!」
後ろから男の声がして私は振り返る
「ぼ、僕とおつきあいしてくださいませんか!?」
あら、またでた。
私はため息をつく。
「ごめんなさいね、私好きな人がいるのよ。」
「え!!!」
ざんねんね。童貞くん。
あなたに私はあわなさすぎ。
「でも、いまおつきあいしてる人はいないんですよね?」
「いいえ。いるわよ」
私は嘘をついた。
「え、まさか、この学校…?」
ショックがあまりにも大きかったのか
男子生徒の顔は真っ青。笑える。
「そうよ。」
なわけ、ないじゃない。
なんて心のなかでほくそ笑みながら
私は
「そういうわけだから、私いくわね。」
といってその場をあとにした。
