
不良に良好
第1章 1
上半身をゆっくり起こして、そっちを見ると
なんとびっくり。
「眼鏡の人じゃん。」
「佐山です…あの、その…」
枠からはみ出るような人間には見えないのに。
なんでわざわざこんな所に…
「海崎くん、これ…」
佐山はポケットから、四角い綺麗な真っ白い何かを出した。
「えっ、ラブレター?」
「ちが、ちがう!ハンカチです!」
「いや…俺のヤツはもっとボロかったはず」
もしかして洗ってきてくれたりしたの?
「ちゃんと手洗いしたから、レンズの破片とかも着いてないと思う…思いますから」
「あー…とりあえずありがとう」
俺は体を起こして、受け取った。
