
不良に良好
第4章 4
思ったより熱かったのか、肉まんを平らげるのに苦労している。
「ゆっくり食べてれば?急いでないんだし。」
「あ、ありがとう…」
何にお礼されたんだ俺。
うーん、暇だな。することないや。
「あんた、本持ってたよね。貸してよ」
「え…あ、ああ…アレは、破れちゃって、もう読めなくて…」
アレ?
あー。誰だっけ…いじめっ子に破壊されたやつか。
「破れちゃったんじゃなくて、破られたんだろ。お前のせいとかではないんじゃないの」
「な…なんで僕が責任感じてるってわかったの?」
「別に、それより肉まん潰れてるけど!」
しまった、と言った顔で陽太はソレを口に持って行った。
そんなに熱かったのかな。
なんだか顔が赤くなっていた。
