
不良に良好
第1章 1
馬乗りのまま顔だけこちらに向けた。
あれ、こいつ、委員長とかじゃなかったっけ。
「なんだ、海崎君か。」
「おまえら何やってたの?ケンカ売られたの?」
なぜかBがすかさず答える。
「仲良くしてるだけだってー!海崎もやる?たのしいよ!これコイツの本なんだけどー」
仲良くねえ。
「フーン、おまえら優等生じゃなかったっけ?」
「…う…ひっく…」
涙でぐしゃぐしゃのソイツに近づく。
「別に?ストレス発散なら海崎くんもやってるでしょ。」
無表情で、そのままAは立ち上がって俺を観察した。
