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庭の柘榴

第2章 虜

彼は立ち上がりTシャツを脱いだ。
背中に綺麗に盛り上がる筋肉
世間でいう「ゴリマッチョ」だ。

「どう?」

振り向いた彼の身体は見事な肉体美だった。

正直、スタイルは良くはない。
今どきの女子は細くて筋肉がついた
「細マッチョ」が人気だが

彼は背は170cmくらいしかなく
それでいて太い筋肉がついてるために
ずんぐりむっくりな感じだ。

私の好きな身体はまさに彼のような
筋肉のつき方だ。

思わず見とれてしまってる私に気付いた
素振りを見せる彼。
慌てて目をそらした。

ベッドにゴロンとうつ伏せになり

「プロに揉んでもらいてぇなぁ~」

と言った。


聞こえないフリをして座ってる私に

「なんだよ。襲われちゃう~とか思ってんのかよ」

鼻で笑い飛ばした。
いかにも「お前なんか興味無い」という
言いっぷりだ。

そんな言われ方をされてしまっては...
私はゆっくり立ち上がりベッドに
向かった。
片膝だけベッドに乗せて彼の背中に
ゆっくり両手で圧を乗せた。

とても柔らかくて質のいい筋肉だ。
身体を動かしてるせいかコリはなかった。


「あ~...効くなぁ~。やっぱりプロなんだな。うまいわ...腰がたまに痛くなるんだよ
寝ちゃったら...ごめんな」

そう言うと彼は目を瞑った。

少し安心した私はもう片方の膝をベッドに
乗せてマッサージを続けた。しばらくすると

「悪いな、マッサージさせちゃって。ありがとうな...」

次の瞬間、私の上に彼が覆いかぶさっていた

「え...」

何が起きたのかわからない私は
すぐ目の前にある彼の顔を見つめた。

のちに聞いたのだが彼はレスリングを
やっているのだ
仕事上でも趣味となってるレスリングでも
人を抱えるのが大得意だった彼は
あっという間に私のことを押し倒したのだ

しかも乱暴さは全くなく
変な話、とても丁寧に優しく瞬時に
座ってる私を寝かせたのだ。

ポカンとする私に優しくキスをした。
筋肉隆々のスキンヘッドから連想できない
ほど柔らかい唇だった。

「あ...あの...」

そう言って彼の腕からどけようとするが
どうにも身動きが取れない。
でも無理に羽交い締めされてるわけでもなく
痛いわけではない

「セックスしようぜ」

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