その手で触れて確かめて
第10章 お2階さん。( A × N )
朝。
待ちきれなくて、30分位早く部屋を出たものの…
和「早すぎなんだけど…」
…思いっきりヤな顔された。
和「隣、先行ったら?」
歯磨きの途中なのか、
歯ブラシを口にくわえたまま、隣を指さす。
俺、初対面なんだけど…。
昨夜、カズが言ってた通りの人懐っこいヤツなら…
風「君が相葉くん?」
情報早くね?
風「俺、風間。よろしく!」
「こ、こちらこそ…」
風間くんはにこにこ笑いながら握手を求めてきた。
風「相葉くんはお休みの日とかは何してるの?」
和「……」
無言でカズがゲームに没頭している横で、
風間くんは在り来たりな質問で攻めてきた。
「実家が自営だから、家の手伝いとかしてた。」
風「実家、何やってるの?」
「…中華料理の店なんだけど。」
風「え?じゃあ、カズくんから聞いたジャンボギョーザ、って、自家製?」
カズくん、って呼んでんだ?
「今、店には出してないけど、手作りなんだ。」
風「何で出さないの?」
「当時はそんなに人気でなかったんだ。今、出したらどうか分かんないけど?」
風「それ、って、食べたい、って言ったらすぐ食べられるもんなの?」
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