その手で触れて確かめて
第10章 お2階さん。( A × N )
「え…と、食いたい、って言えば、作って送ってくれるけど?」
コイツ、ガンガン来るなあ…?ん?…待てよ?
これ、この間、カズと2人でするはずだったギョーザパーティー、仕切り直しが出来るんじゃ…。
「じゃ、実家電話するわ。」
数日後、いつもの3倍の数を母ちゃんに頼んで送ってもらっての仕切り直し。
風「やっぱ、デカイね?」
風間くんは待ちきれない、とでも言わんばかりに
今日、チルド便で送られてきたばかりのギョーザに見いっていた。
和「……」
相変わらず、ゲームに没頭しているカズ。
興味無さそうにしてるけど、チラチラとこっち見てんの知ってるよ?
風「おいしそう♪」
ローテーブルにギョーザの乗った皿を置くと、
カズはゲーム機を脇に置いてテーブルについた。
俺と風間くんがデカイ声で頂きます、と合掌する中、
もそもそと口に運んでいた。
ごくり、と喉を鳴らしギョーザを飲み込んだ後のカズの口元が、
少し綻んだように見えた。
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